夏だ、海に行こう

夏らしく、暑くなってきた今日この頃。家の中では、ルゼか汗をかきながら素麺をゆでていた。
   ルゼ「暑いにゃ暑いにゃ(^ ^;;食べるときには涼しげでも、ゆでるときは大変にゃ(^ ^;;」
台所の中は、かまどの火と素麺をゆでているお湯の湯気で、凄く暑くなっている。
しかしゆでている最中にかまどを離れるわけには行かず、ルゼは素麺がゆで上がるのを待っている。
そしてしばらくして素麺がゆで上がろうとしたとき、勝手口のドアが開いて夏風とリゼが入ってきた。
   リゼ「ただいまにゃ(^ ^)ルゼお姉にゃん。」
   夏風「頼まれためんつゆを買ってきたよ、ルゼ殿。この大きさのビンで、よかったのかな?」
   ルゼ「ちょ、ちょっと待ってにゃ〜(^ ^;;素麺を釜から出して、お水で洗っちゃうにゃ。」
夏風は袋の中からめんつゆの入ったビンを取り出したが、ルゼは鍋づかみを持って釜をかまどから取り外すと
あらかじめ流しに置いたざるの上に釜の中身をあけた。そして釜をかまどに戻すと、流しに戻って水を出し
その水で、ざるの中にある素麺をよく洗った。そのあと桶の中に素麺を入れると一息ついた。
   ルゼ「やっと暑さから解放されるにゃ(^ ^)それからめんつゆは、その大きさで大丈夫にゃ。」
   夏風「そうか・・・・・。それじゃ、あとは何をすればいいかな?」
   ルゼ「素麺の桶を、部屋に持ってってほしいにゃ。リューゼルにゃんが待ってるにゃ。」
そういってルゼは素麺の入った桶を夏風にさしだす。すると夏風は桶を受け取り、ルゼに話しかける。
   夏風「めんつゆがないと、食べられないって言うんじゃないか?リューゼル殿は・・・・・。」
   ルゼ「それはウチが持ってくから、先に行っててほしいにゃ。」
素麺だけを持っていってもしょうがないと夏風は思い、そのことをルゼに告げたが
ルゼはすぐに行くから先に行っててほしいと、めんつゆの準備をしながら夏風に話す。
   夏風「それならば、先に行ってるよ。一緒に行くか?リゼ・・・・・。」
   リゼ「ルゼお姉にゃん・・・・・先に行ってもいいにゃ?」
夏風が一緒に先に行くかと聞いたので、リゼはルゼを見て、先に行ってもいいかを聞く。
   ルゼ「夏風にゃんの邪魔にならないように出来るなら、行ってもいいにゃ(^ ^)」
   リゼ「はいにゃ(^ ^)お姉にゃん、行くにゃ行くにゃ(^ ^)」
   夏風「よしっ・・・・・。それじゃあ昼飯を待っている、リューゼル殿の所に行こう(^ ^)」
   リゼ「リューゼルにゃんのところに、行くにゃ行くにゃ(^ ^)お昼食べるにゃ〜(^ ^)」
夏風とリゼは、普段大人数の時に食事をする部屋に行こうと、素麺の入った桶を持って台所を出ようとした時
   ルゼ「めんつゆは、すぐ持っていくって言っておいてほしいにゃ(^ ^;;」
と、ルゼが2人に向かって話しかけたのである。すると夏風が、それに対して返事をする。
   夏風「ちゃんと伝えるから心配無用だよ、ルゼ殿。」
   リゼ「にゃにゃ(^ ^)まかせてにゃ。」
片手に桶を持ってもう一方の手を振ると、夏風とリゼは台所を出て部屋に向かった。
   ルゼ「よろしくにゃ〜(^ ^)・・・・・さて、準備を急ぐにゃ(^ ^;;」
ルゼはよろしくと言ったあと、食器棚から器をいくつか取り出し、めんつゆの入った鍋と共におボンに置き
火の元を確認したあとそれを持って台所を出た。そして食事をする部屋に向かう・・・・・。

時間は少し戻って、大人数で昼食の出来る部屋の中では・・・・・。

リューゼル「うむむ・・・・・(^ ^;;昼飯は、まだかなぁ・・・・・。そろそろお腹がすいてきたぞ。」
普段の昼食の時間は既に過ぎており、おいらはお腹をすかせていた。そして早く来ないかと
廊下の方に耳を向けていると、しばらくして足音が廊下の方からしてきたのである。
その足音は部屋の前で止まり、そして勢いよくフスマが開くとリゼと夏風が中に入ってくる。
   夏風「とりあえずは素麺の到着だよ、リューゼル殿。めんつゆも、もうじき来るからね。」
   リゼ「お待たせにゃ、お待たせにゃ♪・・・・・?」
リューゼル「今日は素麺かぁ・・・・・夏らしくていいねぇ(^ ^)ところでリゼはどうしたんだ?
      何だか聞き耳をたてているけど・・・・・。どうした?リゼ・・・・・。」

誰かが部屋に近づいているのだろうか?リゼは聞き耳をたてているようである。
そのため夏風は桶をテーブルの上に置くと、意識を集中させて、辺りの気配を調べる。
   リゼ「誰か来るにゃ。ルゼお姉にゃん以外の誰か来るにゃ。」
   夏風「おそらくシエル殿とエスティア殿だと思うけど・・・・・。」
リューゼル「シエルが来るのなら、これだけじゃ足りなさそうだな(^ ^;;
      まあ、その時は我慢してもらえばいいか。それじゃあ出迎えに行くか。」

   夏風「リューゼル殿は、ここにいた方が・・・・・(^ ^;;出迎えならあたいが・・・・・」
どうやらシエルとエスティアが家の方に来ているらしいので、おいらは出迎えようと立ち上がった。
しかし夏風が自分が行くと言おうとしたが、リゼが一足先に部屋を出ようとしていた。
   リゼ「ウチが行ってくるにゃ、リューゼルにゃん、お姉にゃん(^ ^)
      にゃから座って待っててほしいにゃ。いいにゃ?」

リューゼル「そうか?それなら頼むぞ、リゼ(^ ^)」
   リゼ「まかせるにゃ(^ ^)にゃ、行ってくるにゃ〜。」
おいらが任せるというと、リゼは喜びを体全体で表して、そのまま部屋を出て玄関に向かった。
リューゼル「そういえば、リゼも随分人の言葉が話せるようになったな。夏風が教えてるのかい?」
   夏風「あたいもチョットは教えてるけど、大部分はルゼ殿が教えてるよ・・・・・。」
リューゼル「そうかぁ・・・・・。それじゃあ今度、勉強風景を見てみようかな?」
リゼがだいぶ話せるようになってきたことを夏風と話していると、玄関からリゼが戻ってきた。
   リゼ「シエルにゃんと、エスティアにゃんにゃ(^ ^)こっちにリューゼルにゃんがいるにゃ。」
  シエル「こんにちは〜(^ ^)あっ、夏風もいるね(^ ^)久しぶりに遊びに来たわよ。」
エスティア「こんにちは(^ ^)リューゼルさん、夏風さん。暑くなってきましたが、お元気でしょうか?」
リューゼル「暑い中、2人ともよく来てくれたね(^ ^)・・・・・ところで2人に聞きたいんだけど
      これからおいら達は昼飯を食べるんだけど、一緒に素麺を食べるかい?」

挨拶を済ませたあと、昼食をどうするかをシエルとエスティアに聞く。するとシエルが少し残念そうに答える。
  シエル「素麺だと分かってたら、もうチョット抑えて食べればよかったなぁ・・・・・(^ ^;;」
エスティア「私達は、来る前に昼食を済ませてきました。シエルさんは、4人前は食べていました。」
   リゼ「よ、4人前かにゃ!?・・・・・そんなに食べられるにゃんて、すごいにゃ。」
   夏風「相変わらず食欲が旺盛だね、シエル殿は・・・・・(^ ^;;夏バテにもならないね、その分だと。」
シエルは昼食を4人前食べたとエスティアが言ったあと、リゼと夏風は驚いた。するとシエルは複雑な表情をする。
  シエル「私だって夏バテするときもあるよ・・・・・。最近チョット食欲が落ちてるから
      お昼だって4人前くらいしか食べられなかったし(^ ^;;普段はもっと食べるわよ。」

リューゼル「4人前も食べてるのに、夏バテ気味ねぇ・・・・・(^ ^;;それだけ食べてりゃ十分だと思うぞ。」
  シエル「そうかなぁ・・・・・。まあ、そういうわけだから素麺はいらない・・・・・よ(^ ^;;」
4人前も食べているのに、シエルは夏バテ気味のようである。しかし見た目でも、そうは見えないのだが(^ ^;;
そのため素麺は食べないとシエルが言ったあと、廊下から足音が聞こえてくる。たぶんルゼが来たのだろう。
   ルゼ「お待たせにゃ、めんつゆの到着にゃ(^ ^)・・・・・うにゃ?シエルにゃんと
      エスティアにゃんもいるにゃ(^ ^)一緒に素麺食べるにゃ?器はあるにゃ(^ ^)」

エスティア「こんにちは、ルゼさん(^ ^)私達は昼食を済ませてきましたので、もう食べられません(^ ^;;」
  シエル「ルゼちゃんこんにちは(^ ^)素麺は・・・・・チョット食べたいな(^ ^)」
シエルとエスティアは、ルゼに挨拶をする。そしてシエルはルゼの持ってきた器を見て素麺が食べたくなったのか
少し食べたいとルゼに言う。するとルゼは素麺の入った桶を見たあと、みんなに向かって話しかけた。
   ルゼ「シエルにゃんが食べるなら、もっと素麺ゆでたほうがいいかにゃ?」
リューゼル「シエルが、どの位食べるかだな・・・・・。1人前位、余裕を持ってゆでたんだろ?」
   ルゼ「約2人前位、余裕を持ってるにゃ(^ ^)」
  シエル「そんなに食べないから大丈夫よ〜(^ ^;;だからルゼちゃんも、一緒に食べよ(^ ^)」
   ルゼ「はいにゃ(^ ^)それじゃあテーブルの前に座ってにゃ。器を配るにゃ。」
シエルとエスティアもテーブルの前に座ると、ルゼが器を目の前に置いてまわり、配り終わると自分の場所に座る。
リューゼル「それじゃあ昼飯にしよう(^ ^)いっただっきま〜す・・・・・。やっぱり素麺はイイナァ。」
   夏風「そうだねぇ・・・・・。夏と言えば素麺とかひやむぎ、そしてスイカもいいよね(^ ^)」
  シエル「あんだけ食べたのに、何で素麺だと食べられるのかな?でもおいしいね(^ ^)」
   ルゼ「スイカも冷やしてあるにゃ(^ ^)おやつの時間になったら食べるにゃ(^ ^)」
みんなでおいしそうに素麺を食べていると、スイカがあるという言葉に反応したシエルが話し出した。
  シエル「スイカがあるなら、これから海に行って泳いだあとスイカ割りをしない?」
   リゼ「スイカ割りって何にゃ?お姉にゃんは知ってるにゃ?」
   夏風「スイカ割りというのはね、目隠しをして他の人の指示を頼りに持っている棒で
      スイカを割ることだよ。リゼは、したことないのかな?」

   ルゼ「ウチもしたことないにゃ(^ ^;;だからやってみたいにゃ〜。」
   リゼ「ウチもやってみたいにゃ〜。海に行こうにゃ行こうにゃ(^ ^)」
スイカの話からスイカ割りになり、海に行こうという話になってきた。ルゼとリゼが、おいらの方を見ている。
リューゼル「それじゃあ食べたあとに海に行こう(^ ^)みんなもそれでいいかな?」
   ルゼ「やったにゃ〜(^ ^)それじゃあ食べたあと、水着とかの準備をするにゃ(^ ^)」
   リゼ「行くにゃ行くにゃ♪」
   夏風「リゼが行くならあたいも行くよ(^ ^)海で面白い物を見せてあげるから楽しみにしてな。」
  シエル「言いだしは私だから、当然私も行くわよ(^ ^)エスティアも一緒に行くよね?」
エスティア「私は、ここに残ってお留守番をしています。今日は泳ぎたいという気分ではないので。」
エスティアを除く全員が、海に行くことで意見が一致した。しかしエスティアはお留守番をしていると言う。
リューゼル「別に泳がなくてもいいんだよ?だから一緒に行こうよ(^ ^)」
エスティア「以前聞きました庭に生えている薬草を研究したいので・・・・・(^ ^;;ダメでしょうか?」
リューゼル「そうか・・・・・。それじゃあエスティアは、お留守番ということで出かけようか。」
  シエル「一緒に行きたかったけど、調べたいことがあるなら・・・・・。それじゃあ行ってくるね。」
シエルは残念そうな顔をしたが、すぐさま元気な表情になってエスティアに行ってくるという。
他のみんなも残念そうな表情をしていたが、やりたいことをやらせてあげようという気持ちになったようだ。
そのあとしばらくして食事も終わり、ルゼが海に行く準備をしてきたので、海に出かけることにした。
リューゼル「それじゃあ行ってくるからね。エスティアも家の周りを長い時間調べるときには
      この鍵を使って玄関に鍵を掛けてからにしてくれるかい?集中ロックだから。」

エスティア「分かりました(^ ^)では、行ってらっしゃい皆さん(^ ^)」
おいらはエスティアに、少し大きめな青色の鍵を手渡すと玄関の方に移動する。
  シエル「魚とかいたら捕ってくるから、楽しみに待っててね(^ ^)それじゃ、行ってきま〜す。」
   ルゼ「お留守番を頼む形になって申し訳ないにゃ(^ ^;;では、よろしくお願いするにゃ。」
エスティア「大丈夫ですよ、ルゼさん(^ ^)でも、楽しんでこないとダメですよ。」
   ルゼ「分かったにゃ(^ ^)それじゃあ行ってくるにゃ(^ ^)」
ルゼが申し訳なさそうに話をしたので、エスティアは楽しまないとダメですよとルゼに話す。
そのためルゼは笑顔で返事をすると、シエルのあとに続いて玄関の方に向かった。
   夏風「じゃあ、あたいらも行ってくるよ。ほら、リゼもエスティア殿に行ってきますっていいなよ。」
   リゼ「エスティアにゃん、行ってくるにゃ(^ ^)」
エスティア「行ってらっしゃい(^ ^)夏風さん、リゼさん。楽しんできてくださいね。」
   夏風「水がある所でしか、できない修行をするよ。それじゃあそろそろ行くぞ、リゼ。」
   リゼ「はいにゃ、おねえにゃん(^ ^)」
夏風とリゼは、走るようにして玄関に向かう。おそらくこれも修行のうちなのだろう。
一方その頃先頭を進むおいらとシエルとルゼは、なかなか来ない夏風とリゼのことが気になっていた。
リューゼル「何やってるんだろうなぁ?夏風とリゼは・・・・・(^ ^;;だいぶ進んだのに、まだ来ない。」
  シエル「あっちから走ってくるのって、リゼちゃんじゃないかな?・・・・・って走るの速すぎない?」
   ルゼ「リゼは走るの速いにゃ(^ ^)それにあとから夏風にゃんも、走ってきてるにゃ。」
  シエル「あっ、ホントだ・・・・・。」
リゼがこちらに向かって走ってきているリゼの後ろに、夏風も走ってきていると言うと、シエルも見て確認する。
しかし徐々にリゼが走るスピードを下げた。こっちとの距離が、縮まってきたからだろう。
そのため夏風は、ようやくリゼに追いついた。そして2人一緒においら達の所に、たどり着いた。
   リゼ「追いついたにゃ〜(^ ^)」
   夏風「待たせたしまって申し訳ない(^ ^;;でも、短時間で追いついたと思うんだが、どうかな?」
夏風は遅れたことを詫びたが、そんなに長くは遅れてないだろうと、おいら達3人に聞いてきた。
確かになかなか来ないと思ったのは、家を出てから10分位である。そんなに遅れてはいない。
  シエル「まあ、来てないと気付いたのが2〜3分位前だから、そんなに気にならなかったけどね。」
リューゼル「さあ、これで海に行くメンバーが全員そろったから、先に進もう。
      午後から海に行くんだから、そんなに長い時間は海に入っていられないからね。」

   ルゼ「そうなのかにゃ?」
先に進もうと言ったあと、おいらが進み始めたので他のメンバーも進み始める。
しかし長い時間、海に入ってられないと言うことに疑問を感じたルゼは、そうなのかを聞いてきた。
リューゼル「暗くなると危ないからね。だから早く行こうという訳だよ、ルゼ。」
   ルゼ「分かったにゃ(^ ^)にゃあ、急いで先に進むにゃ〜。」
   リゼ「いそぐにゃいそぐにゃ〜。みんにゃいそぐにゃ〜(^ ^)」
早く行こうと聞いて、ルゼとリゼは走り始めた。リゼはともかく、ルゼも結構走るのが早い。
   夏風「油断していると、おいてかれちゃうな・・・・・。さあ、走るぞ2人とも。」
  シエル「よぉ〜っし。ならば誰が最初に海に着くか、競走ね(^ ^)」
リューゼル「おいらは、早足で行くよ(^ ^;;走ると体力が・・・・・(^ ^;;」
ルゼとリゼが走って先に進んだのを見て、夏風も走って進もうと言いだした。
それを聞いたシエルは競走しようと言って笑顔になったが、おいらは顔を曇らせる。
   夏風「なんだい、情けないねぇ(^ ^;;まあ、早めに来てくれよ。」
  シエル「それじゃあ私達で競走しましょ(^ ^)行くわよ、夏風。」
そう言うとシエルは走り出したが、夏風もそれに続くように走り出した。
そのあとを早歩きしながらおいらも海に向かう。そして、しばらく歩いて海に着いたのだが・・・・・。
   夏風「天気は良さそうなのだが、凄い高波だな(^ ^;;海に入るのは、危険だぞ。」
   リゼ「危ないのか・・・・・にゃ?」
  シエル「そうね(^ ^;;まあ、この海岸は砂浜が広いから、スイカ割りはできそうね(^ ^)」
   ルゼ「良かったにゃ(^ ^)」
海は荒れていて高波も発生しているが、この海岸は砂浜が異様に広いのでスイカ割りだけでもする事にした。
リューゼル「泳ぐのは次回と言うことにして、今回はスイカ割りをしよう(^ ^)
      ところで、スイカは誰が持ってきているのかな?ルゼかい?」

  シエル「スイカなら私が持ってきてるわよ(^ ^)手で持つのは重そうだったから
      ディスティボの魔法でしまってあるの。今出すから、チョット待っててね。」

そう言うとシエルはディスティボの魔法を唱え、開いた空間に頭を入れて中を見る。
そして空間の中に手を入れて、スイカを取りだし始めた。最終的には10個のスイカが、シエルの後ろに並ぶ。
   夏風「10個も必要とは思えないのだが・・・・・。どうしてこんなにあるんだい?」
   ルゼ「ウチが渡したのは、3個だけにゃ(^ ^;;あとの7個は、知らないにゃ。」
リューゼル「そうなると・・・・・。」
シエルを除く全員が、シエルの方を見る。まあ、当然と言えば当然だが。
残る7個のスイカは、あらかじめシエルが用意していた物なのだろう。シエルなら7個位、ペロリと食べそうだ。
  シエル「残りの7個は、私が朝買ってきた物よ(^ ^)さあ、スイカ割りしましょ(^ ^)」
リューゼル「そうだね(^ ^)それじゃあ、誰から始めようか・・・・・。」
   リゼ「にゃっにゃっ、スイカ割りやりたいにゃやりたいにゃ(^ ^)」
   夏風「リューゼル殿。リゼがやりたいようだから、最初にやらせてくれないか?」
スイカ割りの順番をどうしようかとみんなに聞くと、リゼがスイカ割りをしたいと大きな声で言いだし
夏風もリゼを最初にと、おいらに話しかけてきたのである。するとルゼも、何か言いたそうにしていた。
  シエル「スイカ割り用の棒は2本あるから、2人同時にでも大丈夫だよ(^ ^)ルゼちゃん。」
   ルゼ「本当かにゃ?シエルにゃん。それならウチもすぐに、スイカ割りしたいにゃ。」
  シエル「でも、2人同時だと混乱しないかな?」
スイカ割りは、何人も同時に行うものではないと思ったのだが、すでにルゼとリゼが棒を持っていたので
1人ずつというわけには行かないだろう。そう思ったおいらは、どうするかを言う。
リューゼル「だったらルゼの方はシエルが、リゼの方は夏風が声を掛ければいいんじゃないか?」
   夏風「リゼにはあたいが指示を出すんだね。」
  シエル「そうね(^ ^)それならば混乱することもないでしょ。それじゃ、この布で目隠しをしてね。」
指示を出す側が決まったので、シエルはルゼとリゼに目隠しようの布を手渡した。
   ルゼ「目隠しをするのかにゃ?」
   リゼ「にゃにゃ?」
  シエル「スイカ割りってのはね、目隠しをして指示を受けてスイカを割る遊びなの。
      だから目隠しをしてね、ルゼちゃんにリゼちゃん(^ ^)」

シエルに言われたとおり、ルゼとリゼは受け取った布を使って目隠しをした。
そしてシエルはルゼを、夏風はリゼをスイカから少し離れた場所に移動させ、合図を待った。
リューゼル「準備ができたようだから、おのおの始めていいぞ〜(^ ^)」
  シエル「それじゃあルゼちゃん、始めるわよ(^ ^)まずは右に進んで〜。」
   ルゼ「右かにゃ?・・・・・こっちかにゃ?こっちかにゃ?」
  シエル「そこからチョット左に向きを変えて、まっすぐ進んで〜。」
始めていいぞと言ったあと、シエルはルゼに指示を出し始めた・・・・・。
だがルゼは、なかなかスイカに近づけない。そしてこっちの方でいいのかを聞いてきた。
   ルゼ「こっちの方で、いいのかにゃ?シエルにゃん?」
  シエル「だんだん近づいてきてるわよ(^ ^)今度は右に向いてまっすぐよ。」
   ルゼ「こっちかにゃ?」

一方、夏風とリゼは・・・・・。

   リゼ「こっちでいいのかにゃ?お姉にゃん。」
   夏風「もう少し、もう少しだぞ。リゼ・・・・・そこだっ!!そこで棒を振り下ろすんだ。」
   リゼ「ここかにゃ?それにゃあいくにゃ〜(^ ^)」
シエルよりも夏風の方が指示がうまいのか、リゼはすでにスイカの目の前に立っていた。
そしてリゼは棒を振り下ろしたのだが・・・・・。リゼの力が弱いのか、棒の当たった場所が悪かったのか
スイカにはヒビは入ったものの、割れることはなかった。そしてリゼは目隠しを取る。
   リゼ「うにゃ(^ ^;;割れてないにゃ・・・・・。どうしてにゃ?お姉にゃん。」
   夏風「叩く力が弱かったせいもあるだろうけど、もう少し中心を叩けば簡単に割れるぞ。」
   リゼ「分かったにゃ(^ ^)」
スイカから少し離れた位置に移動をして、目隠しをしたリゼをその場で回す夏風。
   夏風「さあ、最初は自分の行きたい方向に進むんだ。そのあと、あたいが指示を出すからね。」
   リゼ「こ、こっちかにゃ・・・・・?」
   夏風「そこから左の方向に進むんだ。・・・・・そうそう、そっちだよ(^ ^)」
夏風の指示を受け、スイカに近づいていくリゼ。そして再びスイカの前に立った。
   リゼ「ここか・・・・・にゃ?今度こそ、スイカを割るにゃ〜。」
   夏風「まっすぐ棒を振り下ろすんだ、リゼ。・・・・・やったな(^ ^)」
リゼが棒を振り下ろすと少し中心から外れていたものの、スイカを割ることができたのである。
   リゼ「割れたのかにゃ?・・・・・やったにゃ〜(^ ^)割れてるにゃ割れてるにゃ。」
   夏風「ルゼ殿よりも先に割れたぞ(^ ^)良かったな、リゼ。」
   リゼ「嬉しいにゃ♪嬉しいにゃ♪」
  シエル「あらら(^ ^;;先を越されちゃったか・・・・・。」
   ルゼ「ウチも負けないにゃっ。どっちに進めばいいにゃ?シエルにゃん。」
夏風とリゼのコンビに先を越させ、シエルは残念そうな顔をしたがルゼは違っていた。
先を越されて悔しいのか、自分も早くスイカを割ろうとシエルを急かしたのである。
  シエル「チョット右に回って、あとはまっすぐよ(^ ^)さあ、頑張って〜。」
   ルゼ「チョイ右で、まっすぐにゃ。・・・・・・・・・・ここら辺かにゃ?」
  シエル「もうチョイ前、もうチョット・・・・・。そう、そこそこ。そこで棒を振り下ろして。」
ようやくスイカの目の前に立ったので、シエルはルゼに棒を振り下ろして叩くように、指示を出した。
そして棒はスイカのど真ん中に当たり、一発でスイカは割れたのである。
どうやら力は、リゼよりルゼの方があるらしい。まあ家事全般をこなすのだから、当然かもしれないが・・・・・。
リューゼル「これで2人とも、スイカをを割れたな(^ ^)それじゃあスイカを食べようか。」
  シエル「そうね♪それじゃあ、早食い競走しない?」
   夏風「その早食い競走は、1切れをいかに早く食べることか?」
シエルは勝負好きなのだろうか?スイカ割りでは夏風とリゼのコンビが、先にスイカを割ったので
今度は自分の力で勝利をつかもうと、思っているのかもしれない。
しかし誰もシエルに勝負を挑まないだろうと思っていたのだが、夏風が興味を持ったのかシエルに話しかける。
  シエル「割ったスイカはあとで食べるとして、大玉1/4切れをいかに早く食べるかで勝負よ。
      夏風、勝負する?食べることなら負けない自身はあるけどね。」

   夏風「4分の1切れならば、勝負しよう・・・・・。では、勝負だ。」
  シエル「ルゼちゃんやリゼちゃんは、どうする?早食い勝負をする?」
スイカ1/4切れの早食い勝負をするかどうか、シエルはルゼとリゼに聞く。しかし2人とも首を横に振った。
   ルゼ「スイカは、ゆっくり食べたいにゃ。だから遠慮するにゃ、シエルにゃん。」
   リゼ「ウチ、早く食べられないにゃ(^ ^;;にゃから、お二人でどうぞにゃ。」
リューゼル「そう言うわけだから、2人でやってくれ(^ ^;;おいらも遠慮しとくから・・・・・。」
  シエル「そう・・・・・、それじゃあ1体1で勝負ね。じゃあ、スイカを切るわよ(^ ^)」
そう言うとシエルはディスティボの魔法で宝剣を取りだし、スイカを空中に投げると
タイミングをあわせて宝剣でで斬った。そして手で持つと、見事に4切れに分かれたのである。
   リゼ「凄いにゃ凄いにゃ(^ ^)」
  シエル「ありがとリゼちゃん(^ ^)さあ、始めましょうか夏風・・・・・。」
シエルの剣技を見てリゼは驚き、凄いと何度か言った。するとシエルはリゼにありがとうと言い
夏風にスイカ1/4切れを渡したのである。いよいよスイカ早食い競走が始まる・・・・・。
リューゼル「それじゃあ・・・・・よぉ〜い、ドン。」
シエルと夏風は合図を受けて、ほぼ同時に食べ始めたのだが、意外なことに夏風の方が食べるのが早い。
そしてシエルがやっと半分を食べ終えたかどうかのところで、夏風は食べ終えてしまったのだ。
   夏風「ふぅ・・・・・食べ終わったぞ、シエル殿。」
  シエル「えっ・・・・・!?もう食べ終わっちゃったの?夏風(^ ^;;」
   夏風「食べる量では勝てなくても、スイカの早食いなら負けない自身があるよ。
      何せ、昔夏場に良くやったからな。しかも罰ゲーム付きのヤツをな。」

どうやら夏風は、スイカの早食いには慣れているようである。そのため勝負を受けたのだろう。
しかしシエルは納得行かないのか、残りの2切れの内1切れを渡すと、再選を要求し始めた。
  シエル「ねえ、もう1回やらない?今のは油断してたから・・・・・(^ ^;;」
   夏風「もう1度だけなら、受けよう。それ以上は、あたいが不利になるのは目に見えてるから。」
  シエル「それじゃあ、かけ声お願いねリューゼル。」
2人ともスイカを持ったのを見て、おいらはかけ声を言った。そして2人同時に食べ始める。
先ほどよりはシエルの食べるスピードが上がったが、それでも夏風の方が食べるのが早かった。
今度はシエルが3/4食べたところで、夏風は食べ終えたのである。
   夏風「これで2戦2勝だね、シエル殿。」
  シエル「ううっ(^ ^;;私が食べ物関係の勝負で、負けるなんて・・・・・。」
シエルは負けたことがショックだったのか、少しおちこんだ表情になった。
リューゼル「勝負がついたところで、波がさらに高くなってきたからそろそろ帰ろう。」
   夏風「確かにこれ以上は、危ないな(^ ^;;それじゃあ、リューゼル殿の家まで競走しようか、リゼ。」
   リゼ「はいにゃ(^ ^)」
  シエル「今後こそ負けないわよ。そう言うわけだから、勝負にまぜてね。」
2連敗したので今度こそはと思ったシエルは、夏風とリゼの競走にまぜてもらうことにした。
すると夏風が真剣な表情になり、シエルに話しかけたのである。
   夏風「リゼは走るの速いから全力で行かないと勝てないよ、シエル殿。」
  シエル「それじゃあ私も参加させてくれるのね(^ ^)」
   リゼ「それじゃ、いっくにゃ〜(^ ^)ウチも負けないにゃ〜。」
シエルと夏風が話をしていると、リゼは行くと言ったあと走り始めたのである。
それを見た夏風は大声を上げると、追いかけるように走り出したのである。
   夏風「あ〜っ。先に行くなんて、ずるいぞ〜。」
  シエル「あらら(^ ^;;でも、私も負けないからね〜。それじゃあ、先に行ってるね。」
リゼと夏風のあとを、シエルも続いて走り出した。今度は中距離走である。
   ルゼ「3人とも元気にゃ〜(^ ^;;ウチらはゆっくり帰ろうにゃ、リューゼルにゃん。」
リューゼル「そうだな、ゆっくり帰ろう・・・・・。走ると疲れるからね(^ ^;;」
こうして5人は家に向かって歩き始めたのである。(3人ほど走っているが(^ ^;;)



梅雨も明け、暑い夏がやってきました。
おいらも暑い仕事場の中で、頑張っております。
では、暑い夏を頑張ってのりきりましょう

1999年07月26日完成(^ ^;;