初日の出で、おめでとう(^ ^)

1月1日の午前4時半、夏風とシエルとエスティアはブライセル山を登っており、今9合目にいる。
  シエル「ねえ、山頂はまだなの?夏風。寒くて体が動かなくなってきたよ〜(^ ^;;」
   夏風「まさか雪が降ったあとだったなんて、計算外だったからね(^ ^;;
      そうでもなければあたいも防寒対策をしてきたよ(^ ^;;さすがにこの寒さはこたえる。」

  シエル「だから早く山頂に行って、時間になるのを待ちましょ(^ ^;;」
寒さに耐えてまで山頂を目指すのには訳がある。元旦の夜明け前に山頂に行き、初日の出を見ようと言うのだ。
何故こういうことになったかは、12月31日の夜にソバを食べていたとき、話題に上ったのである。


〜回想・12月31日〜

   ルゼ「年越しソバが出来たにゃ〜(^ ^)のびない内に早く食べるにゃ。」
   夏風「もうそんな時間なんだね。新しい年の始まりも、もう少しだね。」
  シエル「お腹すいちゃったから、早く食べよ食べよ(^ ^)・・・・・では、いただきま〜す。」
シエルは素早く丼をつかむと、テーブルの上に置いてあった箸を持ってソバを食べ始めた。
するとエスティアと夏風も食べ始めたが、ルゼとリゼの分が違う物なのに気付いたシエルがルゼに話しかける。
  シエル「あれ?ルゼちゃんとリゼちゃんは、温かいソバじゃないのね。何か訳でもあるの?」
   ルゼ「ウチはこっちの方が好きにゃ(^ ^;;シエルにゃんも、ざるソバの方が良かったにゃ?」
   リゼ「つけて食べる方が好きにゃ(^ ^)」
  シエル「なるほどね(^ ^)私はあったまりたかったら、こっちでよかったよ(^ ^)」
理由が分かったシエルは再びソバを食べ始めると、夏風が最初に食べ終わり一息ついた。
そしてシエル・エスティアと続いて食べ終わるが、ルゼとリゼはゆっくりと食べている。
   夏風「もうじき年が明けるけど、今回は初詣に出かけるのかい?」
エスティア「特に予定はないとおっしゃっていましたが、午後にでも出かけようと思っています。」
  シエル「私もエスティアと同じだけど・・・・・。どうかしたの?夏風。」
エスティアとシエルの話を聞いた夏風は少し考えたあと、お茶を一杯飲んでから話し始めた。
   夏風「それじゃあたいは初日の出を見に行ってくるよ(^ ^)ブライセル山の頂上に行くと
      周りに障害物が何もないから、綺麗な日の出が見られるんでね(^ ^)」

エスティア「初日の出ですか(^ ^)・・・・・私も同行させていただけますでしょうか?夏風さん。」
   夏風「構わないけど結構高い山だから疲れるよ。他には誰か行くかい?」
夏風の言いだした初日の出を見に行くと言うことに、エスティアは参加することにした。
そして他にも行く人はいないかと部屋を見回したが、ルゼとリゼはソバを食べる手を休めて首を横に振った。
   夏風「リゼとルゼ殿は行かないんだね。そうするとあとはシエル殿だけだが・・・・・。」
  シエル「何を持って行けばいいのかな?夏風。もちろん私も一緒に行くわよ。」
   夏風「それじゃあたいとエスティア殿とシエル殿で見に行くよ(^ ^)2刻後に出発だ。」

〜回想終わって、1月1日午前5時のブライセル山の9合目〜

   夏風「しかし雪が積もっていても、晴れてるだけまだいいね。これで吹雪いてたら大変だ。」
エスティア「視界が悪くなり、歩くのも慎重にならなければいけませんからね。」
  シエル「あっ、そろそろ山頂が見えてきたよ〜(^ ^)早く行こう行こう(^ ^)」
雪が積もっているので夏風とエスティアは慎重に進んでいたが、シエルは山頂が見え始めたので早歩きになる。
それを見たエスティアは慌ててシエルのことを追いかけようとしたが、何故か一部凍っている部分があり
そこを通ったエスティアは滑ってバランスを崩した。何とか体勢を立て直そうとするが、無理だったようだ。
エスティアは顔から雪の積もる地に倒れてしまった。それを見た夏風はシエルを呼びつつエスティアを助ける。
   夏風「シエル殿〜、エスティア殿が転んでしまったぞ〜。・・・・・大丈夫か?エスティア殿。」
エスティア「・・・・・つ、冷たい以外は特に問題無さそうです。雪のせいで雪のおかげですね。」
自力で起きあがったエスティアは、顔や服に付いた雪を払った。それを見て夏風は安心した。
   夏風「新雪だったから、怪我しなかったんだね。しかし滑ったところは違ったのかな?」
エスティア「踏んだときの感触が違いましたから、恐らくそうでしょう(^ ^;;」
転んだところを見ながらエスティアと夏風が話していると、焦った表情のシエルが2人の前に来た。
  シエル「だ、大丈夫?エスティア(^ ^;;・・・・・ゴメンね、私が先走っちゃったから(^ ^;;」
エスティア「大丈夫ですよ、シエルさん(^ ^)でも、この先はゆっくり登りましょう。
      でないと先ほどの私のようになってしまいますよ(^ ^;;ですからゆっくりと(^ ^)」

   夏風「もう少しで山頂で、空がまだ明るくなってきてないからゆっくりでも大丈夫だぞ。」
エスティアと夏風にゆっくり行こうと言われたシエルは、顔を少し赤くすると頭をポリポリとかいた。
  シエル「えへへ・・・・・(^ ^;;これからは、ゆっくり行くから大丈夫だよ。」
エスティア「では、私と手を繋いで行きましょう、シエルさん(^ ^)」
  シエル「うん(^ ^)行こう行こう」
シエルとエスティアは手を繋いで、エスティアのペースで歩く。夏風は、やれやれと言った表情で後ろを歩く。
そしてしばらく山を登っていくと、徐々に傾斜が緩やかになってきた。いよいよ山頂が近づいてきた。
ブライセル山は、山頂が直径30m位の円のような平地になっていて、山頂に近づくと傾斜が緩やかになる。
   夏風「傾斜が緩やかになったから、そろそろ山頂に着くぞ。・・・・・おっ、着いた着いた。」
  シエル「なるほど、確かに見晴らしはいいわね(^ ^)あとは太陽が出てくるのを待つだけね。」
エスティア「毛布を持ってきましたので、ひとかたまりになりまして、くるまりましょう(^ ^)」
そう言うとエスティアは、荷物入れの中から少し大きめな毛布を取りだして、マントのように羽織った。
   夏風「おっ、準備がいいねぇエスティア殿は(^ ^)それではあたいも・・・・・。」
エスティア「シエルさんもどうぞ〜(^ ^)ある程度の寒さはしのげますよ〜。」
  シエル「どれどれ・・・・・。あっ、ホントに寒さをしのげるね(^ ^)あとはくっつけばいいの?」
エスティア「はい(^ ^)毛布と体温で、寒さをしのぐわけです。そろそろ空も明るくなってますので
      20分位すればお日様が出てくると思いますので(^ ^)もう少しですよ。」

毛布にくるまってひとかたまりになるようにくっついて、日が昇るのを待つ3人。
おしゃべりをすることもなくただジッと待っていると、地平線の一部分が赤くなってきた。そろそろ日が昇る。
   夏風「さあ、いよいよ初日の出だぞ(^ ^)今のところは雲もなく、順調のようだね。」
エスティア「お日様の一部が見えてきましたね(^ ^)ゆっくり、ゆっくりと昇って
      大きくなっていきますね。うふふ(^ ^)確かに綺麗ですね、初日の出。」

  シエル「確かにこれなら夏風が来たがってたのも分かるよ(^ ^)今年も頑張ろうって思うもん。」
話をしながら日が昇っている様子を眺めている3人。しかし夏風は途中から毛布から出て、立ち上がって見る。
するとシエルとエスティアも、毛布から出て日の昇る様子を眺めている。そして日は完全の姿を現した。
   夏風「雲一つない空だったから、綺麗に昇る様子が見られたね(^ ^)さあ、帰ろうか。」
  シエル「えっ?もう帰っちゃうの?」
   夏風「日がある程度昇ったからね。家に戻っておせち料理を食べよう(^ ^)」
エスティア「今年も美味しくできていますよ、おせち料理(^ ^)ですから早く帰りましょう。」
  シエル「そう言えば、お腹すいたなぁ・・・・・(^ ^;;帰ろう帰ろう、早く帰って料理を食べよ〜。」
こうして初日の出を無事に拝めた3人は、ゆっくりと山を下りて家に帰る道を歩いていった。








いよいよ始まりました2000年。今年も頑張っていきましょう(^ ^)
では、今年もいい年でありますように・・・・・。

2000年1月1日完成(^ ^;;